ボツリヌス治療

ボツリヌス治療は、美容医療や審美歯科の分野だけでなく、歯ぎしりや食いしばりによる顎の筋肉の緊張緩和、咬筋肥大によるフェイスライン改善など、機能面と見た目の両方に有効な治療法です。
私は、この治療を単なる“見た目の改善”としてではなく、患者様の生活の質を向上させるための医療行為として位置づけています。特に、強い噛みしめが原因で歯や歯周組織に過剰な負担がかかっている場合や、顎関節症の症状を軽減したい場合、ボツリヌス治療は薬物的に筋肉の過剰な働きを和らげ、結果として痛みや不快感を軽減する助けになります。
また、咬筋の働きが抑えられることで顔の輪郭がすっきりし、審美的にも自然な変化が期待できます。治療は数分程度と短時間で、ダウンタイムもほとんどありませんが、薬剤の効果や持続期間には個人差があり、定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。当院では、事前に十分なカウンセリングを行い、患者様のご希望やお悩みを丁寧に伺ったうえで、最も安全で効果的な治療計画をご提案いたします。
ボツリヌス治療は適切に行えばとても有用な選択肢ですが、不適切な投与は噛む力や表情のバランスに影響を与えることもあります。そのため、解剖学的知識と経験を持つ歯科医師が施術することが重要です。私たちは機能と美しさの両立を目指し、安心して受けられるボツリヌス治療をご提供しています。
ボツリヌス治療とは
ボツリヌス治療は、ボツリヌストキシン(ボツリヌス菌が産生するたんぱく質)を用いた筋肉の働きを一時的に弱める医療行為です。もともとは眼科や神経内科などで痙攣の治療に使われていたものですが、現在では歯科領域でも、咬筋肥大(エラ張り)、歯ぎしり・食いしばり、顎関節症、ガミースマイル(歯茎の露出)の緩和など、幅広い用途に応用されています。
歯科における主な適応
歯ぎしり・食いしばりの緩和

顎関節症の補助療法

ガミースマイルの改善

咬筋肥大・エラの張りの改善

治療の流れ
ボツリヌス治療は、極細の針を使って筋肉に数か所注射するだけのシンプルな処置です。麻酔の必要は基本的になく、処置時間は10〜15分ほどです。効果は数日後から現れはじめ、2〜3週間で最大となり、3〜6か月持続します。定期的な注射で効果を維持することが可能です。
副作用・注意点
施術後に軽い腫れや内出血が生じることがありますが、数日以内に治まります。効果には個人差があり、持続期間も体質や代謝によって異なります。妊娠中・授乳中の方や、特定の神経疾患がある方には適さない場合がありますので、事前の問診でしっかり確認いたします。
当院の取り組み
当院では、解剖学と筋機能を熟知した歯科医師が適切な部位・量を判断し、安全かつ効果的なボツリヌス治療を行っています。単なる審美目的ではなく、噛み合わせや顎関節、全身とのバランスを考慮した医療的アプローチとして取り入れています。
このような方におすすめです
・食いしばりや歯ぎしりによるトラブルがある方
・顎関節症の症状がなかなか改善しない方
・フェイスラインをすっきりさせたい方
・笑ったときの歯ぐきの露出が気になる方
まずはご相談ください
ボツリヌス治療は、手軽でありながら確かな効果が期待できる現代的な補助治療です。痛みや生活への支障もほとんどありませんが、正しい診断と計画のもとで行うことが重要です。当院では患者様一人ひとりに丁寧にカウンセリングを行い、安心して受けていただける環境を整えております。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。