再発リスクを抑える“見える治療”

当院では、歯科用CTとマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を活用した「精密診療」をすべての診療の基盤としています。
これらの先進機器により、肉眼では確認できない病変や歯の構造を正確に把握し、再治療のリスクを最小限に抑えた高精度な治療を実現しています。

マイクロスコープとは?

肉眼の最大20倍で歯の細部まで可視化

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は、肉眼の約3〜20倍まで拡大し、歯の微細な構造を立体的に観察できる医療機器です。
これにより、歯の根の中(根管)や歯の亀裂、補綴物の適合状態など、従来は見えなかった領域を直接確認しながら治療が可能になります。

世界的には、根管治療(歯内療法)においてマイクロスコープの使用が標準となっており、日本でも精密な歯科医療を提供するための必須機器とされています。

歯科用CTによる3次元の診断力

2Dレントゲンでは見えない問題を“立体的に”把握

歯科用CT(3D画像診断装置)は、従来の平面的なレントゲン画像とは異なり、歯・骨・神経・病変を立体的に捉えることができます。

根尖病変(根の先の膿)、親知らずの神経接近度、インプラント埋入部の骨量・骨質、歯周病による骨吸収の広がりなど、従来のレントゲンでは判別が難しい情報を、より正確に診断できます。

CTを使った“見える診断”は、治療の安全性と成功率を高める最も重要なステップといえます。

根管治療(歯の神経の治療)での応用

再発を防ぐ精密な根管治療の実現

根管治療は、むし歯が神経まで進行した際に行う治療であり、成功率を高めるには根管内の感染物質を取り残さないことが極めて重要です。

マイクロスコープを使えば、入り組んだ根管形態・分岐部・破折線まで鮮明に確認できるため、肉眼では見逃しがちな感染源も確実に除去できます。

さらに、CTにより治療前に根管の本数や形態を正確に把握し、術中のミスや術後の再発を大きく減らすことが可能です。

補綴治療(詰め物・被せ物)の適合精度を高める

「精密な支台歯形成」が将来のトラブルを防ぐ

詰め物や被せ物を長持ちさせるには、土台となる歯の形成(削り方)と、補綴物との適合性が重要です。

マイクロスコープを使うことで、削りすぎを防ぎ、必要最小限の形成で高い適合精度を実現します。
段差や隙間のない被せ物は、むし歯や歯周病の再発リスクを抑え、見た目にも自然です。

インプラント治療の安全性・成功率を向上

CTデータで“見える手術”を

インプラント治療では、骨の厚み・神経の位置・上顎洞の形態などを事前に把握することが極めて重要です。

当院では歯科用CTを用い、サージカルガイドを併用することで、安全かつ正確な埋入ポジションを計画します。
術前のシミュレーションにより、オペのリスクを大幅に低減できます。

肉眼での限界を超える“精密歯科医療”へ

日本ではまだ少数派。だからこそ、価値がある

マイクロスコープや歯科用CTは、欧米では標準装備ですが、日本国内で実際に活用している歯科医院はまだ限られています。

当院では、すべての診療において「見える治療」を重視し、目に見えない領域にも責任を持った医療を提供しています。

削る・抜く前に、まず「見て」「判断し」「説明する」。この基本に忠実であることが、患者さまとの信頼関係と治療成果の両立につながると信じています。

CT・マイクロを活用する治療の一例

  • 精密根管治療(難治性・再発リスクの高い歯)
  • 破折ファイル除去
  • 歯根端切除術の術野拡大
  • 精密補綴(セラミッククラウン、ラミネートなど)
  • インプラントの事前シミュレーションと安全な埋入
  • 外科処置(親知らず抜歯・嚢胞摘出)

“精密”は、患者さまへの誠意です

どんなに高額な治療でも、どんなに先進的な素材を用いても、診断と治療の精度が伴わなければ長持ちしません。

当院が「精密診療」にこだわるのは、歯を本気で残したいと願う患者さまの期待に応えるためです。
目に見える安心と、見えない部分への責任。その両方を大切にしながら、今後も確かな医療を提供してまいります。