むし歯治療

むし歯は、早期に発見し適切に治療を行えば、最小限の処置で済ませることができる疾患です。しかし、痛みが出るまで放置してしまうと、神経まで進行し、より大きな処置が必要となるだけでなく、再発や抜歯のリスクも高まってしまいます。
私たち歯科医師にとって最も大切なのは、患者さまがご自身の歯をできるだけ長く使い続けられるよう、可能な限り歯を削らず、抜かずに済む方法を考えることです。そのため、当院では精密な診査・診断を行い、必要最小限の治療で最大の効果が得られるよう努めています。
また、「むし歯の治療は怖い」「痛みが不安」という声も多くお聞きします。当院では、表面麻酔を活用し、痛みや不快感をできる限り抑えたやさしい治療を行っています。さらに、治療中はお声がけを大切にし、不安を感じたときにはすぐに手を挙げてお知らせいただけるようにご案内しています。無理をせず、患者さまのペースで治療を進めることを大切にしています。
むし歯は「治して終わり」ではありません。日々のセルフケアや生活習慣、定期的なメンテナンスがとても重要です。当院では、治療後の予防にも力を入れ、患者さまと一緒にむし歯を繰り返さないお口づくりを目指しています。どんな小さなお悩みでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
痛みを抑えて、歯を守る精密な保存治療
むし歯は“早期発見・早期治療”が重要です。当院では、できる限り削らず・神経を残し・再発を防ぐことを目標に、精密かつ患者さまにやさしいむし歯治療を提供しています。
マイクロスコープやう蝕検知液を用いて、必要最小限の除去を徹底し、MI治療(最小限の侵襲)を実践しています。
むし歯とは?〜進行と症状の段階〜
むし歯の進行段階
むし歯は以下のような5段階で進行します。
- C0:初期脱灰(まだ削らなくてよい)
- C1:エナメル質に限局したむし歯
- C2:象牙質に達するむし歯(痛みが出ることも)
- C3:神経(歯髄)に達したむし歯(激しい痛み)
- C4:歯冠崩壊し、根しか残っていない状態
当院では、早期でのC1〜C2段階での治療介入を特に重視しています。
当院のむし歯治療の特徴
1. 可能な限り削らない「MI治療」
従来のむし歯治療では、健全な歯質まで大きく削られることがありました。当院では、う蝕検知液・マイクロスコープ・細径バーを用い、むし歯部分だけを正確に除去します。
2. 麻酔の痛みを最小限に
痛みを感じにくいよう、表面麻酔を行い、患者さまの負担を減らすための工夫を徹底しています。
3. 精密な修復で、見た目も自然に
削った部分には、コンポジットレジン、セラミックなどを用い周布kが可能です。症例に応じて適した材料を提案し、機能的かつ審美的に修復します。
特に前歯など審美領域では、色調・形態の調和にも配慮しています。
神経を残すか?抜くか?慎重な判断
歯髄保存の考え方
むし歯が神経(歯髄)近くまで進行しても、必ずしも抜髄(神経を取る)とは限りません。
当院では、MTAセメントや覆髄法(生活歯髄保存療法)を用いて、可能な限り神経を温存する方針です。
マイクロスコープによる精密診断
「残せるか?取るべきか?」の境界は極めて微妙な判断を要します。マイクロスコープによる拡大視野での診断と精密な処置により、神経保存の可能性を広げます。
再発させないために
むし歯の再発は“治療の質”で決まる
治療しても、同じ場所が再度むし歯になる「再発」は、削り残し・接着不良・適合不良などが原因となります。
当院では、マイクロスコープ下での徹底した除去・精密な接着操作を行うことで、再発リスクを最小限に抑えます。
唾液やむし歯菌のリスク検査も実施
再発を予防するには、むし歯の原因そのものにアプローチすることも重要です。リスクの高い方には生活習慣の見直しや定期ケアを提案しています。
保険診療と自由診療の選択肢
保険のむし歯治療
保険適用の治療では、コンポジットレジン(CR)や金属を用いた修復が可能です。
コンポジットレジンは、比較的安価で、色調も自然に近いため、広く用いられていますが、大きなむし歯や奥歯では耐久性・審美性に限界があります。
金属はコンポジットレジンと比較し、大きなむし歯の修復は可能ですが審美性は著しく損なわれます。
自由診療のむし歯治療
審美性や耐久性を重視される方には、セラミックインレー・ジルコニアインレーなど自由診療の修復材をご提案します。
金属を使わないメタルフリー治療や、精密咬合設計も可能です。
治療後も安心を支える“予防と定期検診”
治療で終わらせない“再発予防型診療”
当院ではむし歯の治療が終わったあとも、定期的なチェック・PMTC・フッ素塗布・食生活のアドバイスなどにより、再発しにくい口腔環境の維持をサポートしています。
“一生自分の歯で噛める”を目指して
むし歯を繰り返せば、やがて歯を失うことにつながります。
そうならないために、正確な診断・適切な治療・継続的な予防を一貫して行うことが何よりも大切です。
むし歯治療は「怖くない・痛くない」へ
当院では、“痛みを最小限に抑え、必要最小限しか削らない”をポリシーに、むし歯治療を行っています。
怖がらずに安心して受けていただけるよう、丁寧な説明と優しい対応を心がけております。
小さなむし歯も、放っておくと大きな問題につながります。「気になるな」と思ったら、早めのご相談をおすすめします。