歯周病治療

歯周病は、むし歯と並んで多くの方に見られる口腔内の疾患ですが、その実態は想像以上に深刻です。初期には自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまい、気がついたときには歯がぐらついていたり、抜歯を避けられない状態になっていたというケースも少なくありません。
歯周病は「沈黙の病」とも呼ばれるように、日々の生活の中で徐々に歯ぐきや骨を蝕んでいきます。そして進行すると、歯を支える骨を失うだけでなく、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎など、全身の健康にも深く関係することがわかってきました。
私たちは、歯周病の治療において「見た目の改善」や「その場限りの炎症の抑制」だけにとどまらず、将来的な再発を防ぎ、長くご自身の歯で快適に過ごせる状態を目指して取り組んでいます。そのために、まずは患者さまごとの歯周ポケットの深さや出血・排膿の有無、咬合力の状態、生活習慣などを詳細に把握し、それぞれに合った個別の治療計画を立てています。スケーリング・ルートプレーニングといった基本治療に加えて、必要に応じて再評価や歯周外科、再生療法、咬合調整も選択肢に入れながら、段階的かつ丁寧なアプローチを心がけています。
また、歯周病治療は「治して終わり」ではなく、「治ったあとにどう維持するか」が極めて重要です。定期的なメンテナンスや生活習慣の見直しを通じて、口腔内の健康を継続的にサポートし、患者さまご自身の“気づき”と“自律的ケア”を後押しすることも、私たちの使命のひとつだと考えています。一人でも多くの方が、歯周病によって歯を失うことのない未来を実現できるよう、スタッフ一同、全力で取り組んでまいります。
見えない骨を守る、口全体の健康管理
歯周病は“沈黙の病気”と呼ばれ、気づかないうちに進行して歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失ってしまう恐ろしい疾患です。
当院では、精密な診査・継続的なケア・生活習慣改善の三本柱で、歯周病の進行を食い止め、健やかな歯茎と骨を守ります。症状の軽いうちからの治療が未来の歯につながります。
歯周病とは?“歯ぐきの病気”それだけではない
歯を支える組織が壊される病気
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきが破壊される病気で、初期には痛みや自覚症状がほとんどありません。しかし放置すると骨吸収が進行し、最終的には自然に抜ける・入れ歯になるリスクに至ります。
全身疾患との強い関連性
歯周病は糖尿病、心疾患、脳卒中、早産・低体重児出産など、全身の健康にも影響を及ぼすことが分かっています。
当院では、歯周病ケアは「全身の健康ケア」でもあると考え、専門的な対応を行っています。
最新機器による精密診査
歯周ポケット測定とレントゲン・CTによる診断
歯周ポケットの深さ、歯の揺れ、出血、レントゲンや歯科用CTでの骨の厚みと形態分析を組み合わせ、客観的かつ精密な評価を行い、ステージごとに最適な治療プランを作成します。



初期治療:スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
目で見えるクリーニング+深部ケア
さらに、目に見えない歯根表面に付着した細菌感染をSRP(ルートプレーニング)により平滑化し、再付着を防ぐプロセスを丁寧に実施します。

重度歯周病:外科処置で深部へアプローチ
フラップ手術(歯肉を開く治療)
汚染部分を取り除き、歯周組織の回復を待てるよう配慮した処置です。

再生療法(GTR法・エムドゲイン)
骨の吸収が重度の場合には、GTR(歯周組織再生誘導)法やエムドゲインなどを用いて骨や歯根膜を再生することも可能です。
適応判断は精密診査と患者さまの意向によって行います。
メンテナンス ~ 「終わりなき治療」ではなく健康習慣へ
定期検診と専門ケアのルーチン化
歯周病は再発する可能性があるため、SRPやPMTCなどの定期メンテナンス(2〜4ヶ月間隔)を美しい口腔環境維持の鍵としています。
担当制の歯科衛生士が継続的に状態を管理し、異常を早期発見・対処しています。
セルフケアの質を上げるブラッシング指導
歯科衛生士がその人のお口に合ったブラッシング方法を指導し、生活習慣・食習慣の改善提案も行います。
自宅でのケアと医院でのメンテナンスの両輪で、歯ぐきから健康を守ります。
歯周病予防 ~ 早期発見が未来を守る
定期検診は必須です
目に見える症状が出てからでは遅すぎます。症状のないうちから半年に一度の定期チェックとクリーニングをおすすめします。
小さな変化を見つけて対処することで、治療の難易度を下げ、歯を守ります。
保険診療と自由診療の選択肢
保険診療メニュー
Srp、スケーリング、定期検診など、保険適用内で基本的な歯周病治療を行います。
軽度〜中等度では、まずは保険治療で改善を目指します。
自由診療での高度な対応
重度症例や再発予防を徹底したい方には、再生療法(GTR・エムドゲイン)や精密外科処置を自由診療で提供しています。
全身の健康とつながる治療方針
糖尿病や心疾患との相互作用
また心疾患や脳卒中との関わりも近年注目されています。
当院では、生活習慣病や全身疾患への配慮も含めた治療プランを提供します。

妊婦さんと歯周病の関係
妊娠中の歯科診療に対応し、必要に応じて産婦人科と連携しながら安全に治療を行っています。

歯周病治療で期待できる効果
- 出血・腫れ・口臭の軽減
- 歯の揺れ・喪失リスクの低下
- インプラントや補綴処置の寿命向上
- 全身疾患・妊娠への影響の軽減
「歯周病=治らない病気」ではありません。正しい治療とケアによって、改善し、口腔も全身も健康を取り戻すことができます。
安心して通える歯周病治療院として
当院では、患者さまの意向・生活状況・健康状態を踏まえ、「続けられる治療」を大切にしています。 治療の進め方や費用についても丁寧な説明を行い、納得と安心のもとで治療を進めます。 お口の健康から人生の質を向上させる、お力になれれば幸いです。