部分矯正

ドクターよりのメッセージ

部分矯正は、気になる前歯の並びやちょっとした歯列のズレを短期間で整えられる治療方法です。全体矯正よりも負担が少なく、治療期間や費用を抑えられるため、結婚式や就職活動など大切なイベント前に選ばれる方も多くいらっしゃいます。

しかし、適応症例には限りがありますので、まずはしっかりとした診査・診断を行い、患者さまのご希望とお口の健康を両立できる治療計画をご提案します。小さな変化が大きな笑顔と自信につながるよう、全力でサポートいたします。


部分矯正とは

部分矯正は、気になる一部の歯列(多くは前歯や数本の小範囲)に限定して装置を用い、短期間で見た目と機能の改善を図る矯正治療です。全体矯正より装置の範囲が小さく、通院期間や費用の負担を抑えやすいのが特長。当院では、見た目の改善だけでなく、かみ合わせのバランス歯周組織の安定まで配慮し、長期的に後戻りしにくい計画をご提案します。

こんなお悩みに

  • 前歯のすき間(空隙)や軽度のデコボコ(叢生)が気になる
  • 一本だけ飛び出して見える/ねじれて見える
  • 過去の矯正後に一部だけ後戻りした
  • セラミック治療の前に、なるべく削らず歯並びを整えたい
  • ブライダル・就職活動など期日までに前歯の印象を整えたい

適応範囲と留意点

適応になりやすいケース

  • 前歯部の軽度〜中等度の叢生・空隙
  • 歯冠の傾きやねじれが中心で、歯根の大きな移動を要しない
  • かみ合わせのズレが小さく、奥歯の大幅な移動が不要

不適応になりやすいケース

  • 上下顎の前後的・垂直的な骨格不調和が大きい
  • 開咬・過蓋咬合・交叉咬合など全体調整が必要
  • 重度歯周病や未治療のむし歯がある/歯の動揺が強い

※適応の最終判断は精密検査後に行います。まずはご相談ください。

装置の選択肢

  • 表側ワイヤー:効率的でコントロール性に優れる定番。ホワイトワイヤー・クリアブラケットで審美性にも配慮。
  • 裏側(舌側)ワイヤー:正面から見えにくく、仕事柄目立たせたくない方に。
  • マウスピース型矯正:取り外しができて清掃しやすい。適応や協力度(装着時間)の確認が重要。

部分矯正のメリット・デメリット

主なメリット

  • 装置の範囲が小さく、短期間で改善しやすい
  • 費用の負担を全体矯正より抑えやすい
  • 補綴(セラミック)前に歯列を整え、削る量を最小化できる可能性
  • 結婚式・面接など期限に合わせた計画が立てやすい

気をつけたいポイント(デメリット)

  • 適応外の症例では期待した結果が得られない
  • かみ合わせの問題を残すと後戻りや欠損のリスク
  • 装置周りの清掃が不十分だとむし歯・歯肉炎の原因に
  • 保定(リテーナー)を怠ると配列が崩れやすい

治療の流れ

1. 初診相談

お悩み・ご希望・期日(イベント等)をヒアリング。概算期間・装置の選択肢をご説明。

2. 精密検査

口腔内スキャン、写真、レントゲン(必要に応じてCT・セファロ)で骨格・歯軸・歯周状態を評価。

3. 治療計画

3Dシミュレーション等で移動量・期間・抜歯/IPR(ディスキング)の要否、保定方針まで共有。

4. 装置装着

選択装置を局所に装着。マウスピースの場合はアタッチメントや補助処置を行うことがあります。

5. 調整通院

4〜6週間毎にワイヤー調整/アライナー交換、清掃指導、進捗評価。

6. 装置撤去・保定

配列確定後はリテーナーで後戻りを抑制。保定期間中も定期チェック。

治療法の一例

  • IPR(ディスキング):歯と歯の間を微量研磨し、並ぶスペースを確保。
  • 補助的ボタン・エラスティック:ねじれや傾斜の微調整に使用。
  • 部分ブラケット+マウスピース併用:前歯の迅速整列と仕上げの質を両立。

期間・通院・費用の目安

症例により異なりますが、部分矯正は数か月〜1年程度で完了することが多い治療です。通院は4〜6週間ごと。費用は装置の種類・難易度により変動します(詳しくは料金ページをご参照ください/カウンセリング時に個別見積りをご提示します)。

リスク・副作用

  • 装置周囲の清掃不良によるむし歯・歯肉炎・脱灰
  • 一時的な痛み・違和感・発音障害
  • 歯根吸収歯髄反応の発現(稀)
  • ブラケット脱離/アライナー破損による追加来院
  • 保定不良による後戻り

上記は事前説明・予防対応・定期チェックでリスク低減に努めます。

よくあるご質問

Q. 本当に前歯だけ動かして大丈夫?

適応を満たせば有効です。ただし全体バランスに問題がある場合は、部分矯正のみでは再発リスクが高まります。精密検査で適応可否を明確にします。

Q. 結婚式までに間に合いますか?

ご希望の期日から逆算して計画します。短期集中プランや装置の見えにくい選択肢もご提案可能です。早めのご相談をおすすめします。

Q. セラミック前に部分矯正は必要?

前処置として歯並びを整えることで、削る量の最小化や清掃性・長期安定性の向上が期待できます。補綴計画と一体でご提案します。

Q. マウスピースでもできますか?

軽度〜中等度の前歯配列なら可能なケースが多いです。装着時間の自己管理が結果を左右するため、ライフスタイルに合わせて選択します。

当院のこだわり

  • 精密診断:CT・セファロ・3Dスキャンを統合し、安全で再現性ある計画を作成。
  • 審美性と機能の両立:見た目だけでなく咬合・発音・清掃性まで配慮。
  • 予防重視:治療中のPMTC・フッ素・ホームケア指導でう蝕・炎症を予防。
  • 保定設計:取り外し式/固定式を症例ごとに最適化し、後戻りを最小化。

まずはご相談ください

「この歯だけ整えたい」「期日までに前歯の印象を変えたい」――部分矯正はそんなご希望に応える力があります。適応かどうかは精密診断で明確になります。まずはお気軽にご相談ください。